理事長の宮川です
今年も歯の検診シーズンがやってまいりました。
診療室とは違う子ども達の元気な姿を直接目にするのは楽しいものです。
今年度から少し健康診断の基準が変わり、脊柱の側湾の検査が新設、色覚異常の検査の復活、
座高測定の廃止などがありました。
しかし、歯科に関してはまだまだ「う蝕(むしば)」の検査項目がほとんどです。
これだけ原因がはっきりわかっているのに、予防が完全にできないのは、まだまだ私たち歯科医の力不足なのでしょう。
「う蝕(むしば)」の原因は「細菌学的要因」「宿主要因(「歯の強さ、唾液の量・性質)」「食餌要因(糖分)」の3つに大別されます。
1.プラークコントロールで菌数を減少
2.ミュータンス菌の定着をできる限り遅らせる
3.プロバイオティクスで菌のコロニーの改善
4.フッ化物の応用で歯の質の改善、再石灰化の促進
5.シーラントで歯の形態を改善
6.よく噛むことで唾液分泌の促進
7.鼻呼吸で口腔乾燥を防止
8.砂糖(二糖類)を極力控える
9.砂糖(二糖類)をとるなら短時間、アメ・ガム・ジュースのような長時間口の中に残るような取り方をしない。
これぐらいやれば、確実にむし歯予防ができます。これらをどのように生活に組み込んでいくかを歯科医師や歯科衛生士と相談して欲しいのです。
霧島市と霧島市教育委員会では4のフッ化物応用について、最も効果の高いフッ化物洗口を 推進しています。
我々歯科医師会会員はこの素晴らしい事業を学術面からしっかりサポートしていきます。
人々が誤解や誤った情報の犠牲とならないように。
全ての子どもたちが健康な人生を全うできるように。