診療・健康管理システムのご説明


むし歯というと,1本の歯の病気のようですが,実は口の中の環境がおかされているのです。これを解決しないと,むし歯は必ず再発します。私たちは次の3つの理由からお口の健康管理をおすすめします。

むし歯は生えてから5年以内に発生しますが,逆に5年間むし歯にしなければもうむし歯になることはありません。またむし歯は適切な食生活,フッ素の利用,細菌のコントロールによって確実に予防できることがわかっています。生まれてから乳歯が生え,永久歯に生えかわるのが12歳頃です。ですから生まれてから17歳ぐらいまでの健康管理が大切なのです。

むし歯や歯周病は生活習慣病の1種です。したがって正しい生活習慣を身につける事が大切です。しかし長年の習慣をけることは,大変な苦労が伴います。そこで幼少の時期から健康に生活するための生活習慣づくりを定期健診を通じて行っていくことが大切なことなのです。

現代の子どもの体格が向上しているのはご承知の通りですが,歯を支える骨の変化によって歯並びの悪い子どもが増えてきているのも事実です。歯並びの不正は見かけが悪いだけでなく,むし歯や歯周病の原因になったりしますので,歯並びが悪くなる前からきちんと管理しておくと後がずっと楽になります。また近年ではお子さまの姿勢や呼吸との関連も解明されつつあります。

歯科治療に際しての苦痛やストレスを最小限にとどめることは,お子さまを治療する上で最も重要な原則であると考えています。「歯の治療はこわいもの」といった誤った先入観をうえつけないように,モニターテレビとヘッドレストスピーカーを用いた視聴覚鎮静法による治療へのスムーズな導入をはかっています。また笑気による鎮静法を用い,恐怖心を取り除いてからの歯科治療も行っています。良い治療をより速く,より快適に進めるために,私たちは痛くない治療の方法を十分考慮し実施しております。

むし歯の治療で何回も通院しなければならないのは,お子さまにとっても親御さんにとっても大変なことです。私たちは原則として同じ歯を2回以上治療したり,同じ部位に2回以上麻酔をしなくていいように,お口の中を6ブロックにわけ,数歯を同時に治療します。通常の治療回数は4~5回ですべて終了します。この方法は通院回数が短縮できるだけでなく,子どもさんにとって,身体的・精神的にもっとも負担の軽い方法です。親御さんのご希望,お子さまの状況によっては1歯づつの治療になる場合があります。)

治療については,それが可能な範囲はすべて健康保険を適用いたします。ブロック治療では一度に多くの歯の治療を行うため,1回あたりの治療費が高くなる場合がありますが,交通費など治療費をトータルで考えると経済的です。また、年齢によっては自治体の制度により、医療費費の自己負担が軽減される場合がほとんどです。予防処置,乳歯の義歯あるいは矯正治療などは現行の保険制度の下では給付外となっていますので,所定の料金を頂きます。その際は事前に十分な説明をさせていただいた上,ご了解の下処置を行います。