歯並びや上下の歯の咬み合わせが悪い状態を不正咬合といいます。不正咬合は口もとの表情に悪い影響を及ぼすだけではありません。不正咬合は歯磨き自体が難しくなり、むし歯や歯ぐきの病気にかかりやすくなったり、食物が十分に噛めなくなったりします。また、あごの成長にも悪い影響を及ぼすこともあります。
咬合誘導治療はさまざまな装置を使用して、子ども達のもつ成長力を利用して不正咬合を治療し、正しい歯並び、咬み合わせを誘導することで、口の健康、表情の回復をします。
治療時期は基本的にはいつでも開始できますが、不正咬合の種類で変わります。
時期 |
年齢の目安 |
乳歯列期(乳歯のみの時期) |
およそ6歳未満 |
前歯交換期(前歯が生え変わる時期) |
およそ6歳~9歳 |
側方歯群交換期(奥歯が生え変わる時期) |
およそ9~12歳 |
永久歯列期(永久歯のみの時期) |
およそ13歳~ |
治療期間は単純なものでは2~3ヶ月程度ですが、本格的な矯正治療になると2~3年かかることも多いです。
治療開始時期や治療期間の目安については矯正検査を受けるとある程度予測がつきますので、歯並びが気になる方は、一度検査だけでも受けられることをお勧めします。
咬合誘導治療では不正咬合の種類、年齢に応じてさまざまな種類があります。
・固定式(取り外し出来ない) ・可撤式(取り外しができる)
・顎内装置(口の中につける) ・顎外装置(口の外につける)
装置は日常生活に支障が出るほではありませんが、装置を入れて数日は多少の違和感が出ることがあります。しかし、ほとんどの場合は1週間程度で慣れてしまうようです。ちなみに周囲の人も気にならなくなるようです。
咬合誘導治療はむし歯の治療など一般の歯科治療とちがって期間が長めになります。また取り外しのできる装置では,装置を指示通りに使わなければまったく効果が出ないときもあります。
治療を成功に結び付けるには患者さんやご家族のご協力がぜひとも必要です。